春本番の陽気 [ちょっと、一息 44]
春本番の陽気
今日は、ようやく春らしい気温になった。
散歩をしていても、上着を着ているのが暑いくらいのポカポカ陽気だ。
散歩をしていると、観光客に道を訊ねられることが多いと以前も書いたが、近頃は特に頻繁になった。
昨日は、男女数人の観光客グループから、
「一茶の散歩道は何処ですか?」
と、訊かれた。
時間もあったので、その入り口付近まで案内し、
「ここですけれど、かなりの山道ですよ」
と、説明したところ、女性観光客たちはハイキングコース程度のものだと、歩く気満々だったのだが、男性陣の方が尻込みをしてしまった。
「あたし、今日はハイヒール履いて来ちゃったから、山道は無理」
などと、冗談を言いいながらも乗り気は皆無。
ならば、世界平和観音からの下りコースを歩かれては----?と、提案すると、そちらの方に気持ちが動いた様子だった。
その後、彼らがどう行動したのかまでは見届けなかったが、自力で歩こうという気概の観光客が出て来たことは、観光地にとって喜ばしい現象である。
近頃は、目的地まで自動車移動出来ないと観光を断念してしまうような旅の仕方が主流なのだが、本来、旅とはそんな安易なものではないはずである。
旅の面白さは、その場所を自分の足で歩いてこそ発見出来るものなのだ。
歩くからこそお腹もすく。
現地で食べる郷土料理がうまいのも、当然のこと。
観光客から「何処かおいしいレストランや喫茶店は知りませんか?」と、訊ねられることもしばしばなのだが、そうした質問にも答えられるような知識を蓄えておく必要性も実感する昨今である。
やっと、暖かくなったので [ちょっと、一息 44]
やっと、暖かくなったので
やっと、暖かくなったので、パソコンの前に座ることも難しくなくなって来た。
何せ、この部屋には暖房関係のものが何もない。
だからといって、パソコンを別の部屋まで運んで書くほどのズクもないので、殺人的寒さの中では、ブログの更新もままならなかった。
ブログを休んでいた間にも、世間ではさまざまなことが起きていた。
例の偽作曲家騒動に、消えたマレーシア航空機、ソチ・パラリンピック、そして何より驚いたのが、STAP細胞論文のずさんさ問題だ。
★ 新型万能細胞「STAP細胞」をめぐる問題で、論文の筆頭著者である理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーが絶体絶命の窮地に追い込まれた。理研側は14日の会見で、論文の画像流用やデータの切り張りの事実を認め、「未熟な科学者で、あり得ない」と断罪。調査委員会の最終報告を待って処分などが下される見通しだが、“リケジョ(理系女子)の星”の人生は完全に転落してしまった。
「やってはいけないとの認識はなかった。申し訳ない」「どこから引用したか覚えていない」
約4時間にわたる記者会見で浮かび上がったのは、博士号を持つ才女とは思えないずさんさだ。細胞のDNAを分離する「電気泳動」の実験データの一部を切り張りした問題や、別の論文の記述の一部を引用した問題について調査委に問われると、こう答えたという。調査委は、実験結果を示す重要な画像が、小保方さんの早稲田大の博士論文の画像と同一だったとも認定、STAP細胞の存在にも疑念が広がる。(ネットニュース)
マスコミも、一時はあれだけもてはやしておきながら、論文の不備が見付かった途端に手のひらを返したようなバッシングの嵐。
監督責任者であるはずの理化学研究所のエライさんたちの会見も、まるで人ごとのような印象だった。
どんなに研究熱心で素晴らし発見をする科学者でも、こと論文での説明となると言いたいことが半分も書けないという文章下手の人もいるだろう。
とにかく、論文としての体裁だけでも何とかかんとかつじつま合わせしてしまいたいという誘惑にかられるのも判らなくはない。
しかし、学者の優劣を決めるのは論文がすべてだというのだとしたら、それこそ本末転倒だといえるのではないだろうか。
研究データの整理がずさんだったとか、論文を書くための知識が乏しかったというのなら、それをフォローするべき者を彼女に付けるべきだったように思う。
論文を精査すべき上司が何人も揃っていながら、そうしたことをアドバイス出来なかったのは、そこに何らかの意図が介在するのではないかと勘繰られても仕方がない。
「結局、出る杭は打たれた----って、ことじゃないの」
「論文の書き直しなんて、さほど珍しいことでもないのに、何でこんなに大げさに取り上げる必要があるわけ?研究の良し悪しは、つまりは結果でしょ」
そんな声も多く聞かれる。
それにしても、ある報道番組で記者の一人が、こんな見当違いの意見を述べていた。
「小保方さんは、STAP細胞を真実だと信じてぬかよろこびした患者の方々に謝罪するべきだ」
これには、開いた口がふさがらなかった。
そもそも小保方さんは、別に患者たちに作ると約束してSTAP細胞を作り出したわけでもないだろう。
彼女は、ただ自分のやりたい研究をしただけである。
医療現場の反応と、今回のSTAP細胞作成自体の問題はまったく関係がない。
とにもかくにも大事なことは、論文の出来不出来ではなく、STAP細胞なるものが本当に作れるのか否かということである。
理化学研究所の研究室の環境とか、小保方さん独自のコツのような微妙なものが再現されない限り作れないのだとしたら、これは証明することもかなり難しく、時間もかかることなのではないかと思われる。
道案内をすることに・・・ [ちょっと、一息 44]
道案内をすることに・・・
リハビリを兼ねての散歩をするのが日課のせいか、観光客から道を訊ねられることが多い。
普通は、口だけで行き方を教えるのだが、時に、どうしても一人で行くのが不安だという人もいる。
そんな時は、自分も散歩の途中だから、一緒に行きましょう----と、言って、観光客を先導することも近頃はしばしばだ。
先日も、予約した旅館へ行きたいのだが、どうしても行き方が判らないと困惑していた年配の女性観光客を、そこまで案内した。
娘さんと二人で旅行しているのだそうだが、予約した旅館とはまったく別の方向へ歩いて来てしまったようで、その娘さんも誰かに旅館の行き方を訊ねて来るといい残したまま、何処かへ消えてしまい、女性は一人、心細さで半ばパニック状態の様子。
携帯電話も持っていないために、娘さんと連絡を取ることも出来ない。
わたしが道案内を承諾すると、「本当に申し訳ありません」と、少しホッとした顔になった。
案内をする途中、女性が、自分たちが泊る旅館はどんな所なのかと訊くので、
「以前、二時間サスペンスドラマの舞台としても登場した旅館ですよ」
と、答えると、ちょっと安堵したように納得した。
初めて泊る旅館が、どんな所なのかは気になるものだ。
目当ての旅館が見えるあたりまで行くと、そこには既に娘さんが待っていて、「お母さん、何処へ行っちゃったのかと心配したよ」と、やや立腹気味。
その後、母子は、わたしに丁寧に礼を言うと、旅館の玄関の方へと歩み去った。
温泉街は、ちょっと見付けにくい路地のような通りや道が複雑に入り組んでいたりして、観光客には判りづらいこともある。
地元住人のわたしでさえ、まだ知らない道があるくらいなのだから、初めて来た人が迷うのも当然だ。
それにしても、近頃は、何かと道案内をする機会が増えた。
それだけ、観光客が戻って来た----と、いうことの証であるのなら、それはそれで嬉しいのだが・・・。