好意が生まれる条件 [心理の不思議 14]
好意が生まれる条件
この間、あるテレビ番組で、アメリカで放送された独身男女カップル成立を目指すサバイバルゲーム・バラエティーを紹介していた。
これは番組収録のために出会ったばかりの独身男女数名が急ごしらえのカップルとなり、協力して知恵と体力の限界に挑みつつ、かなりの危険も伴うようなゲームをやり遂げながらお互いを理解し愛を芽生えさせて行くという、日本ではちょっと考えられないような過激な内容の恋人探し番組であった。
もちろん、急ごしらえのカップル同士の気が合わない場合は、途中で別のパートナーを選んでも構わないというルールだ。
しかも、このサバイバル・ゲームの中には、参加した男女の気持ちを恋愛感情が芽生えるようにコントロールして行く心理学的手法が、実に上手に組み入れられているように思えた。
まずは、雄大な自然の中で男女二人が協力し合いながら一つの目標に向かって頑張るということ。
次に、参加者に与えられるゲームが必ず知力と体力のどちらも必要とするものであること。
そして、そのゲームにはある程度の恐怖感が伴うと同時に、参加者の勇気や決断力までもが試されるということ。
最後に、ゲームをやり遂げるためには、必然的に男女が短時間でも身体を接触させる場面(キスするとか手をつなぐなど)が出て来るということである。
こうした行為は、すべて人が人を意識するために不可欠な条件となるものだそうで、人は互いが同じ目的のために尽力する時、必ず協調関係を意識せずにはいられないものなのだという。
また、人によっては知識には自信があるが体力はイマイチとか、その逆の場合もあるわけで、この番組は誰もが何かしらの得意分野をアピール出来るようなゲーム内容になっているのだ。
そして、パートナーの男女が二人で高所から飛び下りなければならないなどの恐怖体験も加味されており、こうした恋愛感情をあおりやすい吊り橋効果もしっかりと押さえられている。
さらに、単純接触という、お互いがより親近感を懐きやすいシチュエーションまでもが盛り込まれているのである。
とはいえ、まさかこの日本国内で一般人を対象に背後から爆風に襲われるような過激ゲームが行なえるはずもない。
となると、開放感に満ちた場所で、知力、体力を駆使しつつも独身男女が無理なく好意を育めるものは何なのか?----と、考えた時、思い付くのは野山や高原でのハイキングやトレッキングではなかろうか。
山菜採りや宝探しゲームなどをそのハイキング・コースに組み入れても面白いかもしれない。
お互いの魅力に気付くだけでなく、意外に自分自身の隠れた能力を新発見することもあり得るはずだ。
<今日のおまけ>
ブログのコメントなどの末尾に、(笑)と付けるような場合があるけれど、これって、付け方を間違えると、とんでもない誤解を相手に与えることになり兼ねない。
自分を自虐的に笑う場合の(笑)や、本当にバカバカしい話をしたあとの(笑)は許される(笑)だと思うのだが、たまに本気とも冗談ともつかないようなコメントの末尾に(笑)があると、何と理解してよいものか判らなくなってしまうのだ。
だが、そういう場合、受け取り手の90パーセントはその文章を冗談だととるであろう。
しかも、相手を持ち上げるような文章の末尾に(笑)があると、これは「あなたをバカにしていますよ」の意味としか考えられない。
こうしたニュアンスは、理屈ではない。たとえ、照れ隠しでも本心を書き込んだ文章の末尾には絶対に(笑)は付けないことが肝心である。
世代間のニュアンスの違いによってはケンカを売っているとさえ捉えられ兼ねない(笑)である。
誤解を生まないためにも、(笑)の乱発は避けた方が賢明だろう。