人が白衣に弱い理由 [心理の不思議 9]
人が白衣に弱い理由
患者が医師や看護師に恋愛感情を懐くということが間々あるわけは、白衣を来た人物には無条件で従いたくなるという白衣コンプレックスだけではないのです。
皆さんは、俗に言うところの「吊り橋効果」をご存知でしょうか?
何組かの初対面の男女のカップルを、低い場所にかかる頑丈な橋を渡るグループと、高い場所にかかる吊り橋を渡るグループに分かれて一組ずつ渡らせたところ、低くて頑丈な橋を渡ったカップルは特別何の反応も見せなかったのですが、高い場所にかかる吊り橋を渡ったカップルは、その後、メールアドレスや電話番号を交換したという実験結果が出たそうです。
つまり、人間は、恐怖感や不安感といった心臓のドキドキ感を、恋愛感情のドキドキ感と勘違いしてしまうことがあるのです。
これを「吊り橋効果」とか「錯誤帰属」といいます。
この効果は、何も吊り橋を渡った場合だけに起きるわけではありません。
男女が共にジェットコースターに乗ったり、スポーツを観戦していて、ひいきのチームの応援で勝敗の行方に一喜一憂したりする場合も、この「吊り橋効果」は起きるのです。
そして、これは時々病院においても起きることがあるのです。
自分の病気が重いものかどうか、検査結果を待つ間の気持ちのやり場のない不安感は誰しも経験したことがあると思いますが、正に手のひらに冷や汗をかくほどの不安感に襲われるものです。
中には、そういう感覚にいたたまれず、その場から逃げ出してしまう人もいるほどです。
しかし、いざ、診察室へ入り、担当の医師から、
「大丈夫ですよ。お薬を飲んでもらえば、二、三日で良くなるでしょう」
などと言われれば、それまでの奈落の底へ落とされた気分から一気に浮上。
その医師が、神様にも思えてしまう訳です。
「なんて、良い先生なんだろう!」
医師が男性ならば、女性患者がその医師に対して恋心を懐いてしまうことも無きにしも非ずなのです。
これこそが「吊り橋効果」です。
検査結果を聞くまでの間のドキドキ感を、恋愛感情と勘違いしてしまうことも起きるのです。
そういう意味では、その感情が持続して、そのまま医師と患者が本当のカップルになってしまうケースも多いようです。
女優の泉ピン子さんや、鈴木杏樹さんなどが、その良い例ではないでしょうか。
もしも、あなたに好意を寄せる女性がいたとして、その女性を振り向かせたい場合は、この「吊り橋効果」を使ってみるのも一つの手かもしれません。
ただし、女性が本当に怖気づいてしまうほどのシチュエーションはやめて下さいね。
<今日のおまけ>
近頃は、人の話をいい加減にしか聞かない人間が多くなった。
間違いなく話したはずなのに、聞いたことがないと平然と言う。
聞いたことがないのではなく、記憶にとどめる気がなかっただけのことなのである。
その時、自分に関係がない話や、興味がない話題は簡単に右から左へスルーしてしまうのだ。
そのため、大事な話は、必ず証拠をとるべく相手のサインをもらうという女性もいる。
まあ、サインをしたことすらも忘れてしまうようでは、もはや、聞き流しの範疇を超えていると思うのだが・・・。