またまた、不思議な外科医の話 [不思議な話 3]


またまた、不思議な外科医の話




    わたしは、以前、ブログにわたしの手術を担当して下さった不思議な男性外科医の話を書きました。

    その外科医の先生は、誰から聞いた訳でもないのに、わたしのグラグラだった歯が術後はしっかりとして来て、リンゴを食べられるようになったことを知っていたり、いつもマスクで隠している先生の顔を見てみたいと、同室の患者さんに漏らした言葉を、まるで、聞いていたかのように、翌日はマスクなしで回診に来られたりと、実に、不思議な青年でした。

    しかも、「ぼくは、何処へも行きません」と、おっしゃっていたところ、例の新たな臨床研修制度が始まり、大学病院が医師の引き揚げをし始めたために、その先生も引き揚げの対象となり、わたしが通院する病院を去って行かれました。

    そして、その後、わたしは何故か、続けてその先生から電話がかかる夢を見たのです。

    ところが、夢の中で、わたしが受話器をとっても、その度に相手は無言です。奇妙な電話だと思っていたところ、ある時病院へ行くと、いつも面倒を見てくださっていた病院スタッフの女性が、

    「わたし、この間、大学病院へ行く用事があって、その先生に偶然会ったのだけれど、あなたのことを気にされていたわよ。自分が引き揚げの対象になるなんて思わなかったんですって-----」

    と、言うのです。それを聞いて、あの夢の中の電話の意味が、ようやく判ったように思いました。

    そして、その先生は、今、再びわたしの通院する病院へ戻って来られました。

    さらに、また、その先生がわたしの診察中に、こんなことを言われたのです。

    あの日は、三月とはいっても、気温がグングン上がりまるで初夏を思わせるような暖かさで、このまま春も一気に加速して、あとは、桜が咲くのを待つばかりだなどと、待合所でも患者さん同士が話をしていたような時だったのです。

    にもかかわらず、その青年外科医は、わたしにこう忠告したのでした。

    「家の周りを歩くような運動はして下さいね。でも、積もった雪で滑って転んだりしないように気を付けてください」

    雪------?

    もう、今は道路の積雪など何処にも見られないし、この暖かさになれば、雪が降ることなども考えられないのに・・・・。

    わたしは、そんなことを考えながら、診察室を後にしたのですが、なんと、その翌日、長野県北部に大雪が降ったのでした。

    道路は一面の積雪で覆われ、また、真冬に逆戻りです。

    驚きました。

    あの先生の言葉は、ただの偶然だったのでしょうか?

    わたしの担当医は、そんなユニークでシャイで、そしてファンタスティックな青年外科医なのです。

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