ナルシストの心理 [心理の不思議 3]


★ ナルシストの心理 ★



    この前、当ブログで『自己高揚バイアス』のことを書きましたが、この感覚が大きい人ほど、いわゆるナルシスト度数が高いということになります。

    こういう人は、常に自分が話題の中心でなくては気持ちが治まらず、自分のことが大好きなのです。

    そして、周りが自分をどう評価しているかということよりも、自分自身が自分をどのように評価しているかの方に重きを置くのです。

    こういう感性は、だいたい思春期辺りから始まり、三十代前半ごろまで続く人もいますが、ほとんどの人は、その年齢になると、自分一人の感覚を貫き通すことを子供じみていると思うようになり、次第に身なりや考え方を周りに同調させて行くものなのです。

    ところが、中には、こうした同調を拒否し続け、周囲が自分を何と思おうと自分の世界に没頭し続ける大人もいるのです。

    その極端な例が、『オタク』と呼ばれる人たちですが、彼らは、自分の現実的容姿には頓着せずに、平気で美少女アイドルを追いかけたりも出来る訳です。

    それも彼らの気持ちの中には、一抹のコンプレックスもない----いや、見えないからこそ出来ることなのです。

    しかしながら、ほとんどの人間は、自分の容姿や能力にある程度のコンプレックスをかかえているものです。手放しで自分を好きになどなれません。

    自分は、ここまではしていいが、ここからはするべきものではない----くらいの遠慮や躊躇いは常に気持ちの中のサーモスタットとして働かせているものなのです。

    が、そんな中にも、『自己高揚バイアス』の力が大きすぎて、そのサーモスタットがうまく機能しない人も少なからずいます。そういう人は、自分が可愛くてならないために、自己投資を惜しみません。

    自分だけの理想的自分を追い求めるためには、金に糸目を付けない人もいるくらいです。

    街を歩いていて通りすがりの人の目が、皆自分の方へ向けられているように思うという人もいるくらいで、自意識過剰がすぎると、時には、その勘違いの高揚感で痛みすら判らず、実際は、電柱にぶつけた顔から血が流れ出ているのを、通りすがりの人たちが見ていたことにすら気付かない場合もあるということです。

    まあ、考えようによっては、実に得な性格の持ち主ともいえますが、あまり自分を目立たせようという思いが先行し、浪費などに走ってしまうと、家族に多大な迷惑をかけることにもなり兼ねません。

    ナルシストも結構ですが、ハタ迷惑にだけはならないように気を付けたいものですね。

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