ほめ言葉は使いよう [心理の不思議 2]
ほめ言葉は使いよう
この前、わたしは、自分の印象をより相手に好意的に受け取ってもらうためには、自己紹介の際、先に長所を売り込むのが効果的であると、書きました。
つまり、そのあとで短所を付けくわえても、人間は先入観を重視する動物ですから、最初の良いイメージが尾を引いてあとの悪いイメージがほとんど残らないということなのです。
では、もしも、あなたがどうしても自分が気に入られたい相手と話をする時は、どのようなテクニックを使えば効果的なのでしょうか?
それは、もちろん、相手をほめることです。
ただ、そのほめ方にもテクニックがあります。ただ単に、始めから最後までほめ続けるというのは、これは、あまり良い方法とはいえないそうです。
こういうほめられ方をすると、相手は、あなたを口のうまいお世辞屋としか思わず、「嫌らしい奴」と、評価されてしまいます。
それよりも、もっと嫌な感情を懐かれてしまうのは、最初はほめておきながら、あとからけなすという方法です。
「あなたの考え方は実に独創的で、新しいアイデアに満ちていますね。素晴らしい才能をお持ちです。でも、若者には受けるでしょうが、年配者にはどうでしょうか?もう一工夫必要かもしれませんね」
こう言われた相手は、たぶん、あなたに信用のおけない人物という印象を持ってしまうことでしょう。
こういう言い方は、最初から最後までけなしっ放しという言い方よりも、さらに自尊心を傷つけられてしまうため、「もう、あんたなんかと話もしたくない」と、腹を立てさせてしまうのだといいます。
そういえば、わたしも時々、こうした対応をされて腹を立てることがあります。
始めのうちは、とても好意的なことを言っておきながら、途中から「でも~~~」が入る話し方をされると、凹むのを通り越して、相手に恨みすら覚える場合があるのです。
だったら、最初から、まったく興味がないとはっきり言ってもらった方が、よほど時間を無駄にせずに済むというものです。
ところが、人はとかく、相手に悪い印象を持たれては困ると、最初のうちは良いことばかりを並べたがるものなのです。要するに、上げてから落とすは、最悪の話し方だということを覚えておいた方がよいでしょう。
では、もっとも、相手に好印象を持ってもらえるほめ方は、どういうものか?
それは、上記の逆で、最初は少々辛口の評価をしたとしても、最後にほめ言葉を付け加えるとういうやり方なのです。
「あなたの作品には、どうも消極的な面が目につきますね。もう少し大胆さが必要かもしれません。そうは言っても、アイデアに癖がなくて、万人受けする素直さがあります。このまま精進されれば、きっと誰からも愛される作品を作れるようになると思いますよ」
どうですか?こんな風にほめられたら、「よし、もっといいものを作ってやろう!」なんて気持ちも湧くのではないでしょうか?
これを、終わりよければすべてよしの「終末残存効果」と、いうのだそうです。
もしも、あなたに自分の印象をよく思って欲しい人がいたら、この「終末残存効果」を、積極的に試してみて下さい。
<今日のおまけ>
台風の影響でしょうか?
今日の夕焼けは、実にインパクトのある色でした。
あまりのすごさに、夕方の地方ニュースでも取り上げていたほどです。