レスキュー・ファンタジー [日々の雑感 18]


[雷]レスキュー・ファンタジー



    写真家の藤原新也さんが東日本大震災について書かれているエッセイの中に、「レスキュー・ファンタジー」という言葉があった。

    レスキューは救急、ファンタジーは、空想である。

    被災地から遠くにいる人間は、このような未曽有の大災害を目の当たりにする時、自分にも何か出来ることがある筈だという被災者への同情心が、ある種のヒロイズム的な快感を生みだすものなのだということが書かれてあった。

    そういえば、連日テレビ画面に躍る、「がんばろう、日本」などの言葉が、何処か空々しく聞こえて仕方がないと言っていた人もいた。

    それは、おそらく、この大災害に対する人々の感覚の中に、まるでパニック映画でも観ているようなレスキュー・ファンタジーの一端が見て取れたということだったのかもしれない。

    しかし、これは間違いなく現実に起きていることで、被災地にいる人々は一刻一秒に生死をかけて命をつないでいるのである。

    そんな切迫した危急を鋭く伝える文章があった。

    映画監督であり作家の森達也さんのエッセイの一文だ。

    -----「手が回らないのではない。回さないのです」

    取材で訪れた石巻赤十字病院の石橋悟救急科部長は、地震発生後の初期段階で搬送されて来た身寄りがない寝たきり老人たちをロビーで「放置」したことについて、人手と医療資源が不足しているために手が回らないのですねと尋ねた僕に、きっぱりとそう言った。

    (中略)「恨まれていると思います。批判も受けます」と言いながら石橋部長は決して僕から目をそらしたりはしない。無力感を持ったかという質問に対しては、「感じません。人はそもそもが自然の一部であり、自然の前では無力です」との答えが返ってきた。-----

    この被災現場には、少なくともレスキュー・ファンタジーは存在しない。

    あるのは、淡々としてただやるべきことをするという驕りも気負いもない精一杯の懸命さだけである。


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<今日のおまけ>


    蒸し暑いですね~。

    今年は、郵便局も冷房は控えめにするそうで、窓口のお姉さんも大変そうでした。

    そんなこんなで、またまたネマガリダケを頂きました。

    今度は、サバ缶を使って味噌汁に----。

    これも美味しいですね。

    でも、減塩のため味噌汁は飲まずに、タケノコだけを食べました。[わーい(嬉しい顔)]

    


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