無神経な言葉 [ちょっと、一息 3]
無神経な言葉
テレビ番組で知ったのだが、東京都台東区鳥越1丁目の鳥越本通りに通称「おかず横丁」と呼ばれる商店街がある。
商店街の長さは約200メートル。
周辺は、第二次世界大戦以前から家内制手工業が集積する軽工業の町であり、多くの女性たちが働いていたことから、かつては惣菜類を売る店舗が多く集まり、自家製の大学芋を売る店やつくだ煮屋などが軒を連ねる一大商店街を形作っていた。
ところが、この商店街もバブル期の地上げにより、いつしか歯が抜けたように店舗数が激減。
追い打ちをかけるように、近くに大型スーパーなどが出店した影響もあって客足を取られ、今では、「おかず横丁」とはいうものの、数件の惣菜屋だけが何とか営業を続けるという状態になってしまっているそうである。
しかし、その評判は未だ健在で、地元独自の味を求めて観光客が訪れる。
ところが、ほとんどの店舗が戸閉めの一帯を見て、あまりの衰退ぶりに驚く人が大半だそうだ。
それでも、何軒かの店舗は、今も当時のまま元気に営業を続けている。
そんな商店街を訪れた観光客にリポーターが感想を聞くと、彼らは口々に「せっかく来たのに期待外れで残念だ」と、答えていた。
そんな中、一人の女性客がこんな言葉を発した。
「どうせなら、皆閉めておいてくれた方が紛らわしくなくていいのに」
これには、彼女の仲間も驚き、「そこまで言わなくても・・・」と、たしなめた。
あまりに無神経な言葉だと、わたしも思った。
女性は、商店街を何だと思っていたのだろうか?単なるイベント施設だとでも勘違いしていたのか?
まったく、呆れ返る一言であった。
<今日のおまけ>
今日は、ご近所からタラの芽を頂いたので、さっそく天ぷらにして食べました。
これからの信州は、正に山菜の宝庫です。
タラの芽、ウド、コゴミ、ワラビ、ネマガリダケ、コシアブラなどなど・・・。
この時季でしか味わえない山の幸を、皆さんもぜひご賞味あれ!