ちょっとした疑問 [ちょっと、一息 3]
ちょっとした疑問
東日本大震災の被災地の人たちのことで、以前から少し気になることがある。
着の身着のままで津波から逃げて来たはずの避難所の女性たちが、何故か皆ちゃんと化粧をしているのだ。
髪もきれいに染めてある。
水がない、トイレが使えない、風呂にも入れないと、いう人たちが、どうしてあんなにバッチリメイクでいられるのかが、何とも解せない。
あれだけのメイクをすれば、洗顔クリームやクレンジングがないと化粧を落とせない筈なのだが・・・。
テレビを観ながら、いつも首を傾げてしまう。(・_・;)
ところで、世の中は早くも「復興」「復興」とかしましく叫んでいるが、震災や津波で肉親を失った人たちは、まだまだとても復興へなど気持ちが向かわないのが現実だという。
行方不明の親族の安否が判らないのに、復興へなど頭が切り替わるはずはない。
その通りだと思う。
たぶん、そういう人たちの気持ちが前向きになるには、何年も何十年もの長い時間が必要なのだろう。
そういう被災者たちのために、ただ黙って寄り添うことで辛い気持ちを受け止める、グリーフケア(悲嘆ケア)という考え方が広まり始めている。
これからは、そういう心の問題が被災地ではクローズアップされて来るものと思うが、こうした新しい心理療法などが持ち込まれることで、いわゆる「寄り添い詐欺」のような犯罪が生まれるきらいも無きにしも非ずなのだ。
心理ケアのボランティアを装って、被災者の悲しみにつけ入る不届き者や胡散臭い似非カウンセラーがはびこることも懸念される。
新しい心理療法を現地へ導入する際は、必ず細心の注意を払いつつ行なって欲しいものである。