人間の身体って・・・ [日々の雑感 16]


[リゾート]人間の身体って・・・



    今回の大地震で被災された人たちや、長野県北部地震で家を失った人たちに共通する思いは、出来ることならば生まれ育った土地から離れたくないという気持ちだろう。

    テレビニュースで観たのだが、栄村で被災した85歳の女性は、息子さんが千葉県からやって来て、避難所を出て自分たちと同居して欲しいと頼んだのだが、栄村から出て行きたくはないので、避難所を出るなら老人ホームへの入所を希望すると言っていた。

    しかし、その老人ホームも今は満杯で空きがないため、もうしばらく避難所生活を続けなければならないという。

    85歳にもなってから、未だ見たこともない土地で暮らすのは抵抗があるということも判る。

    福島原発事故のために、避難対象地域に指定され、住み慣れた地域を離れなければならない人たちも、放射能汚染がなくなったら、また、この地へ戻って住み続けたいと希望している住民が大半だそうだ。

    また、巨大津波でこれだけの惨事を目の当たりにしたにもかかわらず、宮城県の被災男性は、仙台などへ移住することを望まず、その理由として、海が見えなくなるのが嫌だと答えていた。

    これは、以前、テレビで放送された番組だったが、秋田県の女性の肌が東京の女性の肌とは比較にならないほどに潤っているというデータを示し、秋田美人の定義をたっぷりの肌の潤いにあると説明していた。

    ところが、この秋田県の女性たちをスタッフが東京へ連れて来たところ、彼女たちの肌水分は一気に低下。東京の女性たちと同じレベルまでに落ちてしまったのである。

    すると、秋田県女性たちは、「早く、秋田に帰りたい!」と、言いだした。そして、東京の空気が肌に合わないと言い始めたのである。おそらく、これまで肌の乾燥など体感したことがない彼女たちにとって、東京は正に異空間だったのかもしれない。

    人間の身体というものは、生まれながらにしてその土地土地に順応しながら成長する。

    水、食べ物、空気、気温などさまざまな要素が微妙に調和しあいながら、一人の人間を作り上げて行くのだろう。

    そういう意味では、人もその土地でしか生きることの出来ない木や花や動物と同じ生き物の一つなのだと思う。土地に根付いている文化や習慣から人間を切り離すということは、海水でしか住むことの出来ない魚を、いきなり真水の水槽へ放り込むようなものなのではないだろうか。

    被災者たちを強引に別の県や地域へ移住させることで、その後、多大な弊害が起きる可能性が捨てきれないように思うとともに、特に高齢者の方たちの健康が懸念される。

遘九・謨」豁ゥ驕・019_convert_20101003113538[1].jpg


    
    

<今日のおまけ>




    この大震災の影響が大きく、街の中は閑古鳥が鳴いている。

    散歩の途中で眺めるホテルや旅館にも、観光客の姿がほとんどない。

    飲食店も開店休業状態だ。

    県会議員選挙が大詰めだが、候補者たちはこの現状をどう認識しているのだろうか?

    自分たちは、当選して議員報酬さえもらえば、結局のところ県民の暮らしなどどうなっても関係ないと思っているのではないだろうか?

    連日、選挙カーを走らせ、名前を連呼する候補者たちだが、本気で地元の景気を良くしようと思っているのか疑わしい。

    マニフェストを聞いていても、抽象的な話ばかりで、何一つ具体策が見えないのだから。


共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。