高齢者が頑固なわけ [心理の不思議 9]


高齢者が頑固なわけ



    年をとるにつれて、人間は頑固になると言われますよね。

    周りの意見を受け入れなくなり、自分の意見ばかりを押し通そうとする男性も多いものです。

    しかし、そういう人も、若い時から人の意見を聞かない頑固者だったわけではないのです。

    どうして、このようなことが起きるのでしょうか?

    人間は、押し並べて、最初に聞いたり見たりしたものを信じるという性質があるそうです。

    つまり、若い時に経験したことが正しいことだと思い込む傾向があるのです。

    ある男性落語家は、バブルの頃に若い女性たちに人気のあった行楽地を、未だに女性たちに人気のある場所だと信じ込んでいて、若いタレントたちの失笑を買っていました。

    また、ある高齢男性は、若い頃に見た知り合い男性の悪い印象があまりに強烈で、その男性がその後立派な業績を残す人物に成長しても、「本質は、ろくでもない奴だ」との評価を変えることがありませんでした。

    人間は、若い時分に受けた印象を、ほぼ生涯にわたって引きずる性質があるので、何十年経っても、結局はその時の感覚を忘れることがないのです。

    世代間のギャップも、要は、そういうところから生まれるわけで、たとえば、クジラを食べることが当たり前の世代に、現代の若者が「クジラを捕るのは感心しない」と、言ったところで、受け入れられないのも当然といえば当然なのかもしれません。

    人間の基礎的概念というものは、二十代の頃までに出来上がるそうです。

    その頃、良い印象を得た物は、生涯にわたり、良い物と認識し続けるのです。

    逆に、若い頃に、あまり好ましい印象を持てなかった事柄については、その事柄の印象がのちに誤った認識のもとに出来たものだったと判っても、やはり、心底好ましいとは思えないものなのです。

    高齢になればなるほど、自分の感覚が最も正しいと確信する人が多いのは、そのためのようですね。

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