踏切の小さな手 [不思議な話 3]
踏切の小さな手
ある私鉄沿線の警報機も遮断機もない、第四種踏切では、小雪のちらつく寒い冬の夜に、奇妙な出来事が起きるという。
一人のサラリーマンが、家路を急いでその踏切を渡ろうとした時、いきなり、着ているオーバーコートの裾が、何かに引っ張られるような感覚がして、思わずそちらへ目を落とすと、暗闇の中に小さな子どもの手が伸びて来て、オーバーコートの裾を摑んでいるというのである。
驚いてサラリーマンが目を凝らすと、その小さな手の先には、保育園の年長さんと思われる園児服姿の幼い男の子の愛らしい顔があり、じっと彼を見上げているのであった。
その男の子は、悲しそうな表情でサラリーマンを見詰めながら、
「おじちゃん、あぶないよ。気を付けてね」
そう小声で言うと、ふっと、闇の中に消えてしまったのだそうである。
また、ある夜には、近所の主婦がその踏切を渡ろうとした時、突然、カーディガンの袖を引っ張られるような気がして振り向くと、そこに、同じような園児服姿の男の子が立っていて、蒼白い顔で彼女を見ると、
「おばちゃん、この踏切は気を付けてね。カンカンが鳴らないからね・・・・」
と、言うので、主婦が、思わず、
「坊や、何処の子?こんな所で何しているの?」
と、訊ねた途端、その男の子の姿は、消えてしまったのだともいう。
この第四種踏切に現われる小さな男の子の噂は、いつしか、街中に広まり、きっと、以前にこの踏切で電車にはねられて亡くなった保育園児の男の子ではないかと、住民たちは話し合うようになったそうである。
その男の子が、踏切を渡る人たちを心配して、「警報機も遮断機もない踏切だから、気を付けて渡ってね。ぼくみたいにならないでね」と、教えているのではないかと、考えた住民の有志は、その後、その踏切にせめて警報機だけでもつけて欲しいと、鉄道会社に頼み込み、それからしばらくして、その第四種踏切には、警報機が設置されたということである。
それからというもの、男の子の霊をその踏切で見かける人たちはいなくなったが、今でも、警報機の傍らには、花を手向けて手を合わせる住民の姿がたえないという。
<今日のおまけ>
わたしが利用している別の地域ブログサイト運営者は、かくも高慢かと思われるほど、殿様意識が強い。
ブログ利用者など、家来ぐらいにしか思っていないようである。書かせてやっているのだという驕りが見え見えなのだ。
気に入らない記事があれば、即、削除を通告して来るくせに、ブロガーが苦情を訴えても、「個人の問題にはタッチしません」と、突っぱねる。
書き手がいなければブログサイトなど何の役にも立たないのに、少しばかりユーザーが増えたと言うだけで、天下を取ったような気になっているらしい。
ブロガーとは、企業の株主と同じだということが判らないのだ。
地域サイトの運営者など、わたしに言わせれば、単に村の青年団の集まりに過ぎないのにだ。
謙虚さを学べ!!と、言いたい。
一部の迷惑ブロガーのために悔し涙を流しながらサイトを去ったブロガーの気持ちなど、いとも簡単に踏みにじって来た話も、たくさん聞いている。
このサイトに恨みを持っている元ブロガーは、おそらく十本の指では納まらないだろう。
わたしの友人たちの間でも、相当に評判が悪いサイトとして有名らしいので、もう、向こうのサイトからは撤退しようかとも思っている。
何か問題が持ち上がったあとで、泥をかぶるのもご免だ。