悲しいことは、みんなに話せ [心理の不思議 7]
悲しいことは、みんなに話せ
皆さんは、「トムの胃」という話を知っていますか?
アイルランド出身でニューヨークに住むトムという男性は、9歳の時極度に熱いクラムチャウダーを飲み、食道を損傷したため、胃の一部を身体の外へ出し、直接そこへ食物を入れなければならなかったのだそうです。
これにより、トムの感情が変わるたびに、胃壁に変化が出ることを観察することが出来たのだそうです。
トムが怒りで顔を真っ赤にすると、胃壁も赤く染まり、恐怖を感じて顔色が蒼褪めると、やはり胃の内部も青くなったのだとか-----。
つまり、トムが怒りを感じると、胃の内部も血流が増して赤く染まったのだということで、恐怖で胃の粘膜の酸の分泌が衰えると、筋肉の活動も衰え、青くなったのだそうです。
人間の身体は、これほどまでに感情と密接にかかわっている訳で、たとえば、悲しみが深い時に一人でその悲しみに耐えようとすると、身体にかなりのダメージがあるというのです。
ですから、嬉しいことは自分一人で楽しんだとしても、悲しみや怒りに関する話は出来るだけ他人にも聞いてもらい、その感情を分散する必要があるのです。
悲しみを一人で抱えると、気分だけでなく身体自体が実際に重くなるのは当然のことでもあるのです。
バレーボールの試合中に自分のチームが劣勢に立たされた時、「声を出せ!!」と、監督が指示を送るのもこういう理由からで、チームが負け始めて気持ちが沈み出すと、必然的に身体の動きも鈍くなるのだとか・・・・。
だから、監督は、わざと選手たちに大きな声を出させることで、沈んだ気持ちを発散させ、試合を立て直そうとするのです。
気分が落ち込んだ時は、無理やりにでも明るくふるまうことで、身体がそれに反応し、劣勢を跳ね返すことができるのだそうです。
「こんなことを話せば笑われるのではないか?」「気の小さな人間だと思われやしないか?」
そんな懸念を懐くのは普通の感覚を持った人間ならば当然ですが、やはり、身体のことを考えたら誰かに悩みを聞いてもらうこともとても大事なことなのだと思います。
<今日のおまけ>
市川海老蔵氏、暴行騒動以来、初めての記者会見を開きましたね。
形成の医師の腕が良いのか、あまり傷も目立たなかったみたいです。でも、やはり、左顔面は少し腫れていましたね。
それにしても、酒が入ると見境なくケンカを売るような性格というのは、誠実を絵にかいたようなお父さまの団十郎さんからは想像も付きません。
わたしは、団十郎さんのファンでしたから、大学生の時は歌舞伎座まで足を運んだことがありました。
息子さんのこともなかなか素晴らしい役者魂を持っていると期待していたのですが、もう子供ではないのですから、歌舞伎界のことも考えて、身を律する術も学んだほうがよいように思います。